どうして日本の高速道路は有料なのか。そして、高速料金は世界一高いのか。それをひも解くには、「そもそも何故、有料制となったのか」について振り返る必要がある。
道路公団が誕生し、道路特別措置法(特措法)が施行された1956年、日本には高速道路を造る財源に乏しかった。
日本の高速道路建設は、当時、インターステート(高速道路)を造り始めたアメリカの指示を受けて始めたものだった。
アメリカは、ガソリン税を導入し高速道路建設の全てを税金で賄っていた。日本はアメリカよりも前の1952年にガソリン税を導入していたが、道路財源は200億円足らず。それでは、東名・名神高速道路が完成するまでに23年分もの財源を要してしまう。早く高速道路網を整備したかった日本は、世界銀行から借金をし、アメリカから技術を得て、財政投融資資金(郵貯を原資とした大蔵省(現財務省)からの借金)も利用して道路建設を行うことになった。
特措法の料金制度とは「償還主義」といって、あくまでも、借金を返済するまでの制度だった。当時の世銀はアメリカの資本がほとんどで、技術も資金も提供しているアメリカにとっては「担保付き融資」を進めたいところ。そこで、償還主義には路線ごとの料金収入によって確実に借金を返済させようとする狙いがあった。高速道路を造り終え、その路線を造った分の借金を返済するまでは料金によって返済し、完済すれば無料開放する約束だった。
しかし、名神・東名の建設費用は4600億円だったにもかかわらず、実際に名神・東名から徴収した料金はこれまでで7兆6000億円に上る。借金は、料金徴収によって1990年には返し終わっているのだ。それなのに、何故、今もなお料金を取り続けているのか。特措法の通りなら、バブルが崩壊した頃、既に、名神・東名は無料になっていたはず。本当は、一時的措置だった有料制が、今のように永久有料制となったのは、1972年、時の首相であった田中角栄氏が「料金プール制」という制度を作ったためだった……。