現在、高速道路が有料となっているのは、道路建設にかかった費用を、道路公団が料金収入によって返済すると決められているからである。
借金がなくなれば自動的に無料開放されることになっている(償還主義)。
そこで問題となるのは、
1.どうやって40兆円もの借金を返済するのか、
2.財源はどうするのか、
という2点に尽きる。
借金は、一度に返済することはできない。政府・与党の民営化方式では、年間約2.5兆円程度の料金収入を原資に、40年も50年もかけて借金を返済するため、いつまでも料金は無料にはならない。借金返済の最も現実的で、かつ、コストを最小限に抑えることができる手法は、国の固定金利での国債発行による債務の借り換えだ。
民営化して民間債にするのは不可能だ。市場全体の年間発行額が7兆円しかないからだ。残る手段は、年間発行160兆円という巨大市場を持つ国債しかない。
借金返済のスキームとして、民営化と国債による借り換えを比べてみよう。
民営化では、変動金利のため金利が上昇すれば、借金は元利合計で100兆円を軽く超えるなど、想像もつかないような金額に膨れ上がる危険性が極めて高い。
一方の、国債による借り換えならば、低金利のうちに固定金利で借り換えることが可能となる。借金の元利返済合計も、完済するまで55~60兆円に抑えられる。もともと、道路公団が抱える40兆円もの借金の大半が金利負担であることを考えれば、将来の金利負担を軽減する措置を実行したほうが明らかにメリットが大きい。
無料化すると同時に料金収入はなくなるため、どうやって国債を償還するのかという疑問の声もあるだろう。しかし、その財源は、実は豊富にあるのだ。
自動車ユーザーはガソリン税など年間9兆円強もの自動車関連の税金を納めている。そのうち約3割を高速道路ユーザーが負担しているにもかかわらず、そのお金は高速道路には使われず、一般道路建設や保守・管理費として使われている。その3兆円足らずを、一般道路に使うのではなく、本来使われるべき高速道路関係に向ければ、それまでの通行料金収入約2.5兆円がなくなっても、十分にやっていける。
このように、国の国債発行による債務の借り換えという考え方を導入すれば、増税なしに借金返済が済み、ただちに高速道路の通行料金は無料となる。